阿部長商店 大船渡食品『カミナシ』使用イメージ
ビジネス

【現場DX“カミナシ”導入】水産加工の阿部長商店 帳票をペーパーレス化、月100時間の業務削減

株式会社カミナシ(東京都千代田区)は「ノンデスクワーカーの才能を解き放つ」というミッションのもと、日本の就業人口の半数以上にあたる約3,900万人のノンデスクワーカー(ブルーワーカー)の働き方を変革すべく、現場DXプラットフォーム『カミナシ』を提供している。

現場DXプラットフォーム『カミナシ』イメージ
現場DXプラットフォーム『カミナシ』イメージ

現場DXプラットフォーム『カミナシ』とは

『カミナシ』は、作業チェックなど現場の業務フローをノーコードでデジタル化する現場DXプラットフォーム。

人がやる必要のないルーティンワークや無駄な作業を自動化し、現場のDX(デジタルトランスフォーメーション=デジタルによる変容)を推進。アプリが監督者に代わり作業手順を徹底させ、非効率な事務作業も解決できる。

これまで紙やエクセルで行っていた手書き情報のデータ化から集計・報告などの作業にデジタルツールを使うことで、正しい作業ナビゲーションの徹底やチェックデータのリアルタイムな一元管理を実現。製造や飲食、小売、物流など、業界問わず1万箇所以上の現場の業務効率化に寄与している。

現場DXプラットフォーム『カミナシ』管理画面
現場DXプラットフォーム『カミナシ』管理画面

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阿部長商店 大船渡食品『カミナシ』導入実例

水産加工などの事業を展開する株式会社阿部長商店(本社:宮城県気仙沼市)では、水産加工品の製造拠点のひとつ、大船渡食品(所在地:岩手県大船渡市)の工場に『カミナシ』を導入した。

導入前の課題

  • 事業拡大に伴いより高度な品質管理が求められ、管理業務が煩雑化していた
  • 紙での品質管理により管理者の業務負荷が高い状態であった
  • 根深く残る「管理には紙を使う」という意識が業務改革を阻害していた

導入後の効果

  • 紙の帳票が大幅に削減され、施設管理では紙の帳票がゼロに
  • 100時間/月の業務時間が削減され、付加価値向上に繋がる業務の時間が増加
  • カミナシがデジタル化への意識を醸成し、業務変革を後押し

阿部長商店 水産・観光で気仙沼を世界に発信も業務効率化が課題に

阿部長商店 大船渡食品
阿部長商店 大船渡食品

阿部長商店は1961年に気仙沼港の鮮魚仲買業としてスタートし、1971年には三陸の美しい景観や港町文化を発信する観光事業も開始。

現在では「水産事業」と「観光事業」の2事業を柱に、気仙沼市を中心に5ヶ所の工場と6ヶ所の観光施設を運営。三陸の恵まれた水産資源を国内外に届けている。

2003年には皮目に炙りを加えることで香ばしさと新鮮さを味わえる「あぶりさんま」が、農林水産祭で最高賞の「天皇杯」を受賞。商品の品質は折り紙付きだ。

阿部長商店 大船渡食品『カミナシ』使用イメージ

売上高は2023年度に約150億円にのぼるなど、右肩上がりの成長が続いている。一方で、デジタル化の遅れは課題となっていた。水産加工品を製造する大船渡食品では、品質管理などの管理業務のほぼすべてが紙の帳票で行われており、それに起因する問題が少なくなかった。

同社では水産事業の中でも鮮魚を扱う割合が高かったが、中食のニーズ拡大に伴い、煮魚や揚げ物などの二次加工品の需要も高まった。

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鮮魚の取り扱い時と比べて加工品は管理しなければならない項目が増える傾向にあり、そのたびに紙の帳票を追加。記載や管理に多くの手間が割かれるようになったという。

現場の従業員は一日に何枚もの紙の帳票を記入する必要があり、管理者も記入漏れや誤記、逸脱などの細かいチェックが大きな負担となった。

人手不足もある中、従業員のリソース不足解消のためにデジタル化は必須。そこで阿部長商店では、大船渡食品の工場に現場DXプラットフォーム『カミナシ』を導入した。

工場全体で月間100時間の削減

『カミナシ』によって製品の品質や施設・製造設備の管理・記録業務をデジタル化した結果、大船渡食品は工場全体で月間100時間の業務時間削減となり、紙の帳票は月約850枚削減された。

特に施設管理業務においては完全ペーパーレス化を実現し、印刷や保管などに費やされていた手間や費用も不要になったという。

導入にあたり、障壁となったのが、「管理には紙を使うもの」という現場の意識だ。

阿部長商店 大船渡食品『カミナシ』使用イメージ

「毎朝の朝礼で工場長がカミナシの利用を促す」「操作方法などをレクチャーする説明会を少人数で複数回実施する」「作成したひな形をユーザの反応を見ながらブラッシュアップする」など、ソフトとハードの両面でカミナシの定着を図っていった。

「作業中の手袋をした指でタブレットを操作するのは難しい」という観点から、タブレットにタッチペンを導入するなどの細かい改善も施した。こうしたなかで、カミナシは現場の従業員たちの間に馴染んでいき、次第に導入効果を発揮するようになったという。

阿部長商店 大船渡食品『カミナシ』使用イメージ

業務ミスの削減も

大船渡食品では『カミナシ』の各機能を活用し、在庫管理業務でも帳票のペーパーレス化と業務ミスの削減を実現している。

阿部長商店 大船渡食品『カミナシ』使用イメージ

在庫管理の帳票には、英数字が交じった10桁弱の複雑なロットナンバーを転記する必要があり、『カミナシ』導入以前は転記時に記入のミスが多々生じていた。

『カミナシ』導入後は、カメラ撮影機能を活用してタブレットでロットナンバー部分を撮影し、画像をカミナシ上の帳票に添付しているため、転記時の記入ミスをほぼゼロにすることに成功したという。

阿部長商店ではさらなる事業拡大に向け、大船渡食品以外の各拠点における製品の品質や施設・製造設備の管理・記録業務にも『カミナシ』の活用を広げていく方針だ。『カミナシ』によってデジタルを活用した業務基盤を構築することで、全社一体となって製造現場の業務効率化や高い品質の維持を目指すという。

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株式会社阿部長商店 会社概要

所在地

(本社)宮城県気仙沼市港町2番13号
(大船渡食品)岩手県大船渡市大船渡町字欠ノ下向1番13号

代表者

代表取締役社長 阿部泰浩

設立

1968年(創業 1961年)

事業内容

水産事業・観光事業・物販事業・飲食事業

株式会社カミナシ 会社概要

所在地

東京都千代田区神田鍛冶町3-7 神田カドウチビル3F

代表者

代表取締役CEO 諸岡 裕人

設立

2016年12月

事業内容

現場DXプラットフォーム『カミナシ』の開発及び提供