ホットソースの代表格といえばタバスコ。辛い物が好きな人にとっては、ピザやパスタに欠かせない調味料です。
しかしこの「タバスコ」について掘り下げて考える機会というのはあまりなく、「タバスコ」=「ホットソース全般のこと」だと思っている人も少なくないのではないでしょうか。実際のタバスコ(TABASCO)は、アメリカ合衆国ルイジアナ州、エイブリー島に本社を置くマキルヘニー社が製造販売する調味料のブランド名(商標)です。
【マクドナルド スパイシーチキンマックナゲット黒胡椒ガーリック×新作ナゲットソース】焦がしにんにく醤油ソース・カマンベール&パルメザンチーズソース【食べ比べレビュー】
タバスコ「オリジナルレッドペパーソース」は発売150年以上
一般に「タバスコ」と呼ばれ親しまれているのは、イタリアンレストランなどでも見ることが多い、小瓶に入った赤い色の「TABASCO オリジナルレッドペパーソース」。1868年に発売され、150年以上にわたり愛されてきた歴史あるホットソースで、レッドペパー、ビネガー、岩塩の3つのみを原材料として作られています。
【ケンタッキー チーズにおぼれるフィレバーガー2024】チェダー入り&ラクレット入り食べ比べ【実食レビュー】
“赤と緑”だけではないタバスコ全7種類
レストランによってはマイルドな緑色の「TABASCO ハラペーニョソース」を合わせて置いている場合もあり、「タバスコには赤と緑の2種類がある」と認識している人も多いかもしれません。
しかし2024年1月現在、実際に購入できるタバスコ商品は、全7種類あります。「ランチバッグ」編集部では今回、7種類の「タバスコ」をクラッカーにかけて食べ比べながら、各商品を紹介していきたいと思います。
【ミスド「ガレット・デ・ロワ ショコラ」実食レビュー】サクサクのパイ生地・カスタードクリーム・濃厚なチョコレートの味わい【ミスタードーナツ×ゴディバ コラボドーナツ】
タバスコ全7種類 辛味指数“スコヴィル値”一覧
※カッコ内はカプサイシンの割合を示す辛さの単位、スコヴィル値(Scoville heat units、SHU)。
- 「TABASCO ハラペーニョソース」(600-1200)
- 「TABASCO ガーリックソース」(1200-2400)
- 「TABASCO チポートレイソース」(1500-2500)
- 「TABASCO シラチャーソース」(1000-3000)
- 「TABASCO オリジナルレッドペパーソース」(2500-5000)
- 「TABASCO ハバネロソース」(5000-8000)
- 「TABASCO スコーピオンソース」(23,000-33,000)
【リンドール チーズケーキ】リンツ新作・新定番のご褒美チョコレート【実食レビュー】
タバスコ全7種類 実食レビュー
TABASCO ハラペーニョソース(スコヴィル値600-1200)
まずは「TABASCO ハラペーニョソース」。緑色のハラペーニョを使ったソースで、7種類のタバスコ商品の中では最もマイルド。TABASCOブランドサイトなどで公式に“相性が良い”とされるのは、メキシコ料理、野菜料理、ドレッシングなど。
販売開始は1993年で、すでに発売30年以上。7商品の中では「TABASCO オリジナルレッドペパーソース」に次ぐロングセラー商品です。
3滴ほどクラッカーに振りかけ、食べてみます。スッキリ・さっぱりと爽やかな味ですが、“最もマイルド”といっても、あくまでタバスコ7商品の中での比較なので、しっかりと辛いです。今回は調味料の味に集中するため、「クラッカーとタバスコだけ」で食べていますが、食事やおやつとして楽しもうと思ったら、チーズなどと合わせることは必須です。
TABASCO ガーリックソース(スコヴィル値1200-2400)
「TABASCO ガーリックソース」は、上品な味わいのカイエン(乾燥させた唐辛子の実)、熟成したレッドペパーマッシュ、まろやかなレッドハラペーニョの3つのペパーをブレンドしたものに、ガーリックの香り高い味わいを添えたホットソース。
発売は1996年。相性の良いメニューはピザ、パスタ、チキン、ディップなどとされています。
辛さを表わすスコヴィル値としてはハラペーニョソースより高いですが、ガーリックの香りで鼻に刺さる“辛い匂い”が緩和されることもあってか、そこまで辛く感じません(辛くないわけではないです。しっかり辛いです)。香り付けと合わせて少し辛味を足す目的の調味料、という印象です。
TABASCO チポートレイソース(スコヴィル値1500-2500)
「TABASCO チポートレイソース」は完熟した赤いハラペーニョペパーを、ピーカンの木で燻製して作ったホットソース。燻製したペパーを、天然スパイス、ビネガー、岩塩、水をブレンドしたタバスコペパーパルプと合わせています。
発売は2001年。BBQソース、ステーキなどの肉料理、チリスープとの相性が良いとのこと。
ソースの色はこげ茶。鼻を近づけると、燻製らしい匂いがあります。こちらも「香りを楽しむ調味料」という意味合いが強そうです。クラッカーのようにシンプルな味のものと組み合わせると違和感のある匂いなので、公式のおすすめ通り、肉料理などと合わせた方が良さそうです。
【カルディで一番売れているチョコレート】ガヴァルニー プレミアムトリュフ ココア実食レビュー【バレンタイン2024】
TABASCO シラチャーソース(スコヴィル値1000-3000)
「TABASCO シラチャーソース」は2023年発売の新しいタバスコソースです。小瓶に入った他のタバスコと異なり、ペットボトルに入っています。ケチャップのような粘り気のあるソースです。
ボトルに書かれたキャッチコピーは「たっぷり使える、甘辛いコクと旨み!」。相性の良いメニューは“野菜、精肉、鮮魚、米穀、製麺、豆腐、卵、パン、スナック、惣菜など”と幅広く、「好きなものに好きなだけ」使うことが勧められています。
気持ち多めにかけて食べてみると、たしかに強い旨味があって甘辛く、ニンニクの香り。“クラッカーにかけただけ”でも十分においしいです。「シラチャーソース」はタイをルーツとする調味料ですが、それほどクセはなく、タイ料理に苦手意識がある人でも楽しめ、辛さに強くない人でも食べやすい味だと思います。
TABASCO オリジナルレッドペパーソース(スコヴィル値2500-5000)
1868年発売の大定番、「TABASCO オリジナルレッドペパーソース」。酸味と辛味のバランスがよく、「タバスコといえばこれ」という、食べなれた味です。
相性が良い料理として提案されている内容は、肉料理、卵料理、パスタ、ピザ、餃子、肉まん、生姜焼きなど。
ソースの楽しみ方として、加熱中にソースを加えることで酸味を飛ばし、爽やかな辛味だけを残すことも提案されています。
TABASCO ハバネロソース(スコヴィル値5000-8000)
「TABASCO ハバネロソース」は1996年発売。ジャマイカ風のホットソースで、マンゴー、パパイヤ、タマリンド、バナナ、ジンジャー、黒コショウを、激辛のハバネロペパーとブレンドしたソースです。
相性の良いメニューはBBQソース、サルサ、マリネ。“フルーティでありながら激辛”という絶妙のバランス。ほんの数滴たらすだけで、ケイジャン、メキシカン、カリビアン、アジアン、アフリカンなど、どんな料理にもカリビアンな風味を加え、“火のような辛さ”を届けるとのこと。
激辛がウリの商品ですが、口に入れた瞬間には意外とそうでもない印象でした。しかし、遅れて燃え上がるような辛さがやってきます。料理に使う量には注意が必要です。
TABASCO スコーピオンソース(スコヴィル値23,000-33,000)
最後は「TABASCO スコーピオンソース」。通常の「TABASCO オリジナルレッドペパーソース」と比べ10倍という激辛を誇る、万能調味料です。
スコーピオンペッパーとグアバやパイナップルを通常のTABASCOソースと組み合わせ、辛さにカリビアン風の甘みを加えた特別なテイストとのこと。相性の良い料理は海老、スープ、シチュー、ピザ、ディップ。
クラッカーに数滴を垂らして口に入れると、その瞬間から「辛い」を一気に突き抜けて「痛い」です。舌先から舌全体がビリビリとしびれ、唇や上あご、のどのに近い方までしびれが広がります。急いで水をがぶ飲みしますが、それだけでは治まりません。
大容量ヨーグルト1パックを食べても口全体のビリビリが治まらず、チョコレートをむさぼっているうちに、少しずつ落ち着いてきました。優に10分以上はかかっています。
「クラッカーにかけてそのまま」など、ストレートなソースが舌や唇に直接触れるような食べ方をする調味料ではなさそうです。後でミートソースパスタ1人前に対し2滴だけ加えてみたところ、“いい具合の激辛パスタ”になり、とてもおいしく楽しめました。
通常の「TABASCO オリジナルレッドペパーソース」をたくさん使うことで料理を辛くしようとすると、料理によっては必要以上の酸味が気になってしまうときがあります。そんなときが、少量でも強い辛味のある「TABASCO スコーピオンソース」の出番かもしれません。
激辛調味料だと分かっていても驚くほど辛いですが、ソースやスープに足すのであればよく混ぜること、使いすぎないことに注意すれば、楽しい激辛ライフにつながるのではないでしょうか。